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ジャスラックはなぜネットで嫌われているのか?

 

 

先日、ヤマハなど音楽教室事業者らがJASRACを提訴しました。

 

 

ヤマハなど音楽教室事業者らがJASRAC提訴

 音楽教室での演奏について著作権料を徴収する方針を決めた日本音楽著作権協会(JASRAC)を相手取り、ヤマハ音楽振興会など音楽教室を運営する247事業者と2団体は20日、「教室での演奏には著作権が及ばない」としてJASRACへの支払い義務がないことを確認する訴訟を東京地裁に起こした。

 教室での演奏は公衆に聞かせることが目的でなく、著作権法が定める「演奏権」は及ばないと主張。音楽教室からの著作権料の徴収は「音楽文化の発展を阻害する」と訴えている。

JASRACをヤマハなどが提訴 「音楽教室での演奏には著作権が及ばない」

 

 

 

事の発端はJASRACがヤマハなどの音楽事業者に対してレッスン中に演奏した楽曲に対しても使用料を請求するとする方針を決めたことに始まります。

 

この事件に関してジャスラックの理事を務めている玉井克也氏のTwitterが炎上するなど世間でもジャスラックの横暴っぷりが認知され始めてきました。

 

今日はジャスラックがこれまでに行ってきた数々の行為について振り返っていきたいと思います。

 

 

ジャスラックとは?

 

まず日本音楽著作権協会(JASRAC)とは、音楽の著作権を管理する団体です。

 

つまり、世間でアーティストが作曲した楽曲などが使われた場合、著作権料をアーティストに支払わなければいけませんが、それを一々本人が著作権料を回収するのは手間が掛かります。

 

そこをジャスラックが代理人としてアーティストの収入となる著作権料を回収しているのです。

 

そしてその回収した著作権料はアーティストに対して支払われることに(一応)なっています。

 

 これだけ聞けば、ジャスラックは悪い団体ではないですよね?むしろ著作権保護のために頑張っている団体のように思えます。

 

 

 

ジャスラックはなぜ嫌われているのか?

 

 

なぜ世間で嫌われているのかというと、ジャスラックは著作権保護のために活動しているとありますが、実態は己の金儲けしか考えていないからです。

 

本来著作権保護はアーティストに正当な報酬を保障することで音楽業界の健全な発展なのために必要な概念ですが、ジャスラックは代理で徴収した著作権料をピンハネしているのです。

 

性格には著作権を徴収するためにかかった費用として調査費などがあるのですが、役員報酬が10億円だったりと明らかにジャスラックの取り分が多すぎるのです。

 

このようなNPO団体(非営利団体)は名前こそ利益を目的としていないように見えますが人件費を異常に水増しすることで人件費=利益のようになっています。

 

またジャスラックに著作権料回収を委託していない場合でも、勝手に著作権料を請求してその分をアーティストに支払っていない疑惑もあります。

 

そして、スナックのカラオケなど直接的金銭取引がないものまでにも一軒一軒回って著作権料を請求したりと音楽業界を発展させるどころか音楽の自由性を奪い、業界を衰退させているのです。

 

まさに音楽業界の癌ですね。加えてジャスラックは、今回のヤマハとの対立の前にもジャスラックは色々とトラブルを起こしています。

 

 

 

雅楽事件

 

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 このように自分の管理楽曲がどうか分からなくてもとりあえずメール爆撃、しまいには『無音』でも著作権が発生する始末です。

 

 

 

和歌山訴訟

 

ジャスラックが訴えた生演奏の店、「著作権侵害せず」とネット中継で証明するも…「将来するかも」とピアノ撤去&賠償命令

著作権を侵害しているとして日本音楽著作権協会から申請された仮処分で、ピアノなどの演奏を差し止められた和歌山市内のレストランが、使用料を払う必要のないクラシックやオリジナル曲だけを演奏していることを証明するため、ネットで協会に演奏の中継を始めたところ、仮処分の抗告審では演奏を認める異例の決定が出された。協会はこれを不服として提訴。攻防が続いた訴訟の判決は、30日に言い渡される。

レストランは、和歌山市の「デサフィナード」。協会が2004年6月、著作権の管理を委託されている曲を演奏しているとして著作権使用料を求めたところ、経営者の木下晴夫さん(56)が「演奏のほとんどは著作権に触れないクラシックやオリジナル曲」と拒否した。
協会は同10月、大阪地裁に仮処分を申請。木下さんは「使用料の必要な曲は今後、一切演奏しない」と約束したが、地裁は05年4月、「演奏内容を確認するすべがない」と演奏を差し止める決定を出した。
これに対し、木下さんは曲目に問題がないことを示すため、店に音声付きモニターカメラを設置。演奏の様子をネットで流し、協会側にパスワードを知らせて常時確認できるようにした。
結果、抗告審では、大阪高裁が「曲を確認できる状態になった」として仮処分決定を取り消した。

協会の担当者は「演奏中止の仮処分が退けられたケースは聞いたことがない。オリジナルと称している曲も元の曲をアレンジしただけで、使用料は払うべきだ」と主張。翌10月、演奏の差し止めと、著作権侵害による損害金約250万円の支払いを求める訴えを大阪地裁に起こした。
木下さんは「仮処分決定が取り消されたのに、改めて演奏差し止めの提訴をするのは納得いかない。司法には正しい判断をしてほしい」と訴える。(一部略)

 

そして1月30日、判決…
判決が30日、大阪地裁であった。田中俊次裁判長は「将来的にも著作権侵害行為を続ける恐れがある」として演奏差し止めやピアノ撤去、損害金約190万円の支払いなどを命じる判決を言い渡した。(抜粋)

 

にしても、この判決はヒドイ。
演奏するかもしれないから、と言う理由で楽器を取り上げる・・・

 

普通に演奏すらさせてもらえなくなるなんて、コレって著作権者の保護ですかね?
まさに「音楽狩り」です。

 

 

 

ヤマハとの裁判

 

今回ジャスラックは演奏権についての権利料をヤマハに支払うように求めていますが、これについてJASRAC幹部は「演奏権の対象の中で取りこぼしてきた最後の市場」と発言するなど、既に著作権保護という大目的が二の次になっていることを隠しもしません。

 

要するにジャスラックは他人の作った曲で金取ってて、取れなくなったから今度は音楽教室から搾り取ろうとしているのです。他人のふんどしでお金が欲しいだけなのです。

 

音楽文化の普及のための著作権保護どころか音楽文化を権利でガチガチに縛ることによって音楽文化潰そうとしているのです。

 

誰も著作権料を支払うことに対して文句を言っているのではないのです。

 

現にヤマハは「当然、アーティストに支払うお金の何パーセントかをジャスラックは掠めとろうとしている。それも決して有名どころの人ではない。それが許せない。加えて我が社が練習用に作曲して貰ったものさえ全てジャスラックを通せと向こうは求めていいるから反発している。こちらからアーティストに直接支払う

 

と主張しています。

 

要するに自分が中間搾取したいからジャスラックを通せと言っているのです。

 

どう考えても権利保護による音楽文化の発展なんていう目的は頭にありません。

『著作者の意向と無関係に、金さえ払えば著作物を利用できる』というJASRACの本来の仕組み自体は結構良く出来ているのですが、実際の運用がその理念を無視してる上に、金儲けしか考えてない運営陣がクソ過ぎるという欠陥が致命的過ぎるんですよね・・・。

 

現にavexはジャスラックの中間搾取に嫌気がさし、独自の著作権管理団体を作っています。

 

私はJASRACはさっさと解体してクリーンな組織に再編成するべきだと思っています。

 

もっと言えば、音楽を作る人/楽しむ人が多様化するばかりか相互に乗り入れていて、「CDから動画、ライブへ」っていう大きなうねりが国境を超えてグローバルに進む中で、一国の社団法人が中央集権的に著作権を管理していくのは限界があると言えばあるのかもしれません。