【政治】国会でよく使われる「忖度」とはどういう意味なのか?
近頃、国会では安倍首相のスキャンダルとして森友学園や加計学園などについて言及することが多いです。
個人的には、これから訪れるであろうIotやAIの時代において日本はどうすべきかを皆で話し合って、これからの国際社会に付いていけるように教育改革などを一刻も早く行うべきだと思っています。
ですがそういった話はほとんどなく、本当にスキャンダルかどうかも定かではないしょーもない話をマスゴミは何日も取り上げています。
それはさておき、今回のテーマは森友学園の問題を機に、世間でも出回りはじめた言葉といして「忖度」という言葉があります。
今回はこの「忖度」という言葉の意味と森友学園や加計学園においてどういった「忖度」がおこなわれていたと言っているのかについて説明していきたいと思います。
広辞苑における「忖度」の解説は「他人の心を推し量ること」とされています。
辞書的にはあくまで「相手の気持ちを推し計る」という意味だけですが、2000年代に入ってから『上役などの意向を推し量る』場合に使う用法が増えたように思います。
おべっか、へつらいというか。上の者に気に入られようとして、その意向を推測する。相手が目上の人の時に使われるようになりました。
「消費税の引き上げは避けられないが、いまは国民を刺激したくない。しかし、ほおかむりも無責任」。そんな首相の思いを忖度したような党税調。(「朝日新聞」社説、2006年12月15日)
その籾井氏が政策に関わるニュースに注文をつければ、どうなるか。権力を監視するジャーナリズムの役割が十分に果たせるのかといった疑問も浮かぶ。会長の意向を忖度し、政府に批判的な報道がしにくくなるのではないかとの不信感も出てくるだろう。(「朝日新聞」社説、2014年5月8日)
そして、今の国会で使われている「忖度」は辞書の定義ではなく、「相手の思いをくみ取り、相手に添う様に配慮すること。頼まれて行動するものでは無くて、自主的に行うもの。」という意味で使われています
本来の意味から、「目上のものの気持ちを汲み、その意向に沿って自主的に行動する」という少し違った意味になっていますね。
籠池氏は会見にて、『国有地取引のスピードが上がったのは、安倍昭恵夫人の秘書に問い合わせしたことをきっかけに、財務省の官僚が夫人の意向を「忖度」し動いたからだ』と主張しています。
さらに、それは「悪いものではない」としつつ学校建設が中断に至るまでの「逆の忖度が問題だった」などと語っています。
そして、大阪府の松井一郎知事は今回の問題に関連し、「良い忖度と悪い忖度がある」と発言しています(THE PAGE 3/25)。
まあ私たちはロボットではなく、感情のある人間なので相手の気持ちを読むということは誰でもやることです。
「忖度」は一連の政治スキャンダルがきっかけに世に広まった言葉で、政治化の汚職に関連する印象の悪いワードになってしまいましたが、元々の意味は『相手の気持ちを推量する』で、今でいうと『空気を読む』の丁寧語のようなものです。
ようするに相手の気持ちを推測するだけなので良いも悪いもないのです。
実際に安倍首相は「政治家は国民の思いを忖度して政策をすすめていく」とし、森友学園の問題について、「悪い忖度ではなかったとはっきりいうべき」と述べています。
一般的に役所や企業のシステムの中では、本来であれば良いものは良い、悪いものは悪いと判断しないといけません。
ですが、島国性の強い日本では『こんなことをすると上司が気を悪くするからやめておこう』など、論理性、合理性以外の要素が入ってしまうことがあります。
そういう場合に『忖度があった』というような表現が一番ピンとくるので。このようなニュアンスの使われ方で広まったのだと思います。
ちなみにこの相手の口にださない気持ちをくみ取るという「忖度」という言葉は、意見はそのまま口に出して主張する英語圏の人には理解しにくかったようで、籠池泰典理事長の記者会見で、外国人特派員は混乱したそうです。
良くも悪くもこの「忖度」という言葉は日本人の島国性を表した顕著な言葉だと言えますね。