【横浜DeNA】倉本寿彦選手の守備がひどいと話題に
今ネット上で、横浜DeNAのショートの倉本選手がヒドいと話題になっています。
どれくらいヒドいのかと思ったので、虎党の私も倉本選手の打撃と守備について調べてみたんですが、確かに横浜ファンの言うとおり、ヒドかったです。
ということで、今日は倉本選手の何がヒドイのか?また何故不動のレギュラーなのか?について考察していきたいと思います。
守備がひどい
倉本の守備の問題点でまず挙げられるのが、『守備範囲が狭い』ということです。
肩が弱いのも理由のひとつですが、主な原因は一歩目が遅すぎるということ。
普通、プロの内野手は打球が転がる前に打者の振り出しの速度や、投球のコースなどからある程度どっちに飛ぶかを予想して動き始めます。
そして、ボールを待つのではなく自分が捕球しに行って一瞬でも早く一塁へ送球するものなんですが、倉本選手一歩目の走り出しが物凄く遅いです。
実際に同じチームの砂田投手に遅いとインタビューでぼやかれています↓
あくまで日常生活の話をしている場面なのですが『何事も』、つまり日常生活以外も遅いと暗に言ってる訳ですね。意味深です笑
また倉本選手の守備を見ていると、「待って取って間に合わない」ケースが非常に多いです。
打球を待って取って内野安打になった場合、エラーはつかないので成績上のヒドさは目立ちません。
しかし、突っ込んでとれなくてエラーになっても、待って取って内野安打でも、同じランナー1塁。ピッチャーからしたら何にも変わりません。
そしてエラーは付かないものの、この倉本選手の守備のヒドさは、選手の能力を数値化したセイバー指標の一つである『UZR』に現れています。
この『UZR』(アルティメット・ゾーン・レーティング: Ultimate Zone Rating)とは、ミッチェル・リクトマンが2001年に提唱した野球における内野手の守備力の成績評価指標のひとつです。
要するに『同じポジションの他の選手より、どれだけ失点を防いだのか?』を測る相対的指標です。
UZRは0が平均で、もしUZR+10の選手とかだと同じポジションの選手と比べ、10失点分守備力で防いだ。ということになります。
基本的にUZRがマイナスを記録する選手は一般的に「下手」な部類なのですが、2017年6月20日現在、倉本のUZRは-8.0を記録しています。
この-8.0という数字は遊撃手の中ではダントツ低い数値で、今のところ12球団ワーストです。
よくこの倉本選手の守備指標『UZR』の悪さはフルイニング出場のせいだという人がいますが、倉本選手の『UZR』は2016年は -11.7、2015年は -5.0 とフルイニングしていないシーズンでも普通に悪いのです。
UZR算出選手のwRC+(100を基準とした攻撃力)
C 戸柱 +49☆
C 嶺井 +82
C 髙城 +79
1B ロペス +137☆
2B 柴田 +60☆
2B 石川 +68
3B 宮﨑 +136☆
SS 倉本 +65
LF 筒香 +148
CF 桑原 +106☆
RF 梶谷 +107☆
☆=UZRで1.0以上
守備にも好不調はありますので、年によってUZRの上下移動があるものですが、ここまで安定して低いとなると、単純に守備力が低いということになります。2016年の鳥谷選手とはわけが違います。
また毎年UZR+10前後を記録する巨人の坂本選手と比べてみると、横浜がショート守備で年間で18点近く損をしていることになるのです。
打撃もあまり良くない
一方の打撃を調べてみると、こちらも正直レギュラーレベルとは言えません。
倉本選手は2017年6月20日現在、打率.231 1本塁打 14打点 OPS.536の成績を残していることが分かりました。
打率も0.231と捕手レベルですが、OPSが低いのも問題です。
得点相関と強い関連性を持つ長打率+出塁率で算出されるOPSは、大体.700あればレギュラークラスだといわれています。
OPS.500代は、かなり守備の上手いキャッチャーでギリ許されるレベルです。
近年は鳥谷選手や坂本選手の活躍もあり、ショートは守れるだけではなく打撃力も求められる傾向にあり、OPS.700以上が求められています。
これは打撃と守備力の総合評価指標である、WARにも如実に表れています。
6/11 war-1.2 (offense-12.8 defense-3.7)
6/13 war-1.2 (offense-12.6 defense-4.7)
6/14 war-1.3 (offense-12.6 defense-4.9)
6/15 war-1.3 (offence-13.3 defence-5.1)
6/16 war-1.4 (offence-13.5 defence-5.8)
6/17 war-1.6 (offence-15.4 defence-5.2)
6/18 war-1.6 (offence-15.4 defence-5.3)
6/19 war-1.7 (offence-15.8 defence-5.8)
6/23 war-1.6 (offence-14.6 defence-6.9)
6/24 war-1.8 (offence-15.8 defence-7.5)
WAR最低記録
-2.4 2015年 後藤光尊 (NPBの最低記録)
-2.9 アダムダン (21世紀の世界最低記録)
あくまで仮定ですが、このー1.8という数字は今シーズン現時点で倉本選手のせいでDeNAは約1.8試合落としているということを意味します。
ちなみの一時期某所でよく話題にされていた石川内野手の通算WAR-1.0 (9年間)で、対して倉本選手はWAR-4.4 (3年間)なので、石川選手をはるかに上回る守備のヤバさということになります。
倉本寿彦 年度別打撃成績
2015年 102試合 .208 2本 20打点 出塁率.244 OPS.493
2016年 141試合 .294 1本 38打点 出塁率.323 OPS.665
2017年 143試合 .262 2本 50打点 出塁率.292 OPS.624
倉本寿彦 年度別UZR
2015年 *636回 -*5.0 (併殺*1.8 範囲-*8.1 失策1.3)
2016年 1206回 -12.7 (併殺-7.3 範囲-11.6 失策5.9)
2017年 1286回 -17.0 (併殺*0.6 範囲-18.0 失策0.4)
倉本寿彦 年度別WAR
2015年(25) WAR-1.8 (offence-19.5 defence-2.8)
2016年(26) WAR-0.8 (offence-14.3 defence-7.2)
2017年(27) WAR-1.8 (offence-17.1 defence-12.4)
年俸
2015年(25) 1200万円
2016年(26) 1500万円
2017年(27) 4300万
にも関わらず、ラミレス監督からの信頼は厚い
上記のように、データ的に打撃力も守備力もレギュラークラスの能力はない倉本選手ですが、何故かラミレス監督から異様な信頼があります。
というのも、ラミレス監督は今シーズン打率.330を越える打率を残し守備指標も問題ない宮崎選手には『まだレギュラーではない』と言いつつ、なぜか『倉本はレギュラーである』と発言しています
うーん・・・理由が良く分かりません。もうオーナのDeNAか某学会から倉本選手を積極的に使うよう、圧力があるとしか私には思えません。
正直、打撃力は高くありませんが、守備が上手いし若いので成長性が期待できる控えの柴田を起用していったほうがいいと思うんですが・・・。
まあラミレス監督としては、我慢して起用することで倉本選手に一皮むけてもらいたいのかもしれませんね。
ラミレス監督はデータ重視派で試合全体の采配などはうまいだけに、余計この倉本選手の数値を無視した起用が目立っています。
これが続くと横浜ファンからすれば、倉本選手に対するバッシングが強まります。
あくまで倉本選手が出場しているのは監督の采配だからですし本人が出しゃばってるわけではありません。
それだけに可哀相なので、ここはラミレス監督が一度本人のために休養させてあげた方がいいと私は思います・・・。
にしても横浜は石川内野手といい、謎聖域のネタが尽きませんね笑
⇨ソフトバンクホークスの選手「今日の倉本寿彦、緩かったよな」
⇨SB内川聖一「今の横浜の選手はファンに夢を見せた、僕はできなかった」